天然お嬢と双子の番犬さん
お礼を言うのは私の方なのに。
「…和、湊。いつもありがとう」
私がしっかりしないから困らせて、
私のせいでパパに怒られて、
和と湊のせいじゃないのに。
「これからも、ずっと────、」
一緒にいてほしい。
────だなんて、
許してくれるはずなかった。
だって二人はもう……、
私の”番犬さん”じゃなくなっていたのだから。
「花、お帰り」
そう言ったパパの背後には黒いスーツを着た誰かが居て。
「紹介する。
────…花の新しい”番犬”だ」
銀色の長い髪が靡く。
黒いサングラスに私と和と湊の顔が反射する。
「……え…?」
震えた声と思わず出た言葉。
その人は私達の前で跪いた。
サングラスの隙間から覗く緑色の瞳。
「────宜しくお願い致します。五十嵐花さん」