天然お嬢と双子の番犬さん
新しい番犬さん
新しい…?
それじゃあ、和と湊は……?
「和、湊。今までご苦労。学校にも今後通わなくていいよう言っておく。これからは若頭としての仕事に専念しろ」
「「…了解」」
二人は何か知っていたのかもしれない。
だって、あまりにもあっさりだったから。
「と、いう訳だ!はなぁ~!パパの所においで~~!」
真面目な顔で話していたはずのパパが突然デレデレした。手を広げ、私を抱える気満々の様子。
だけど、私は────、
「………や…」
「花?」
笑顔のパパの表情はそのままで。
「イッ、ヤッ、ダッ!!!」
「は、はなあぁあ!?」
大きな声と良すぎる発音、ひらがな一音づつ、分かりやすく言ってやりました。
パパは盛大にショックを受けている。
「なんで!?パパだよ!?大好きなパパだよぉ!?」
焦り手をバタバタと広げるパパを横目に、湊にさっきよりも強く抱き着く。
「おじょ、」
「パパ嫌い!!」
「イヤアアアァ!?花に嫌われたアアアァア!!アアアア゛!!」
頭を抱え、膝から崩れ落ちたパパの目には大量の涙。
床に土下座のような形で頭を打ち付けた。ぼそぼそと何かを言いながら、たまに叫びながら絶望に打ちひしがれている。