天然お嬢と双子の番犬さん
何度も頭を打っていたからだろうか。
「なんでぇ!?なんでパパ嫌いなのぉおお!?」
突然顔を上げたパパの額からは血が出ていた。
大量の涙と鼻水が同化しつつある。
…だって、
「和と湊と離れたくないよ!」
急すぎる。
何もかも全部。
「…っ、お嬢」
「和!湊も!離れたくないって言ってくれたよね…?」
それなのに、どうして…どうしてそんな簡単に頷くの?
パパは涙を止め、震えながら話し始める。
「で、でもほら…パパの大事な花を二回も危険な目に合わせたんだ。番犬として頼りないと思って…」
「だからそれは私のせいで!」
「それに…あんな事が合ったんだから、その、パパは不安で…」
あんな────、
二人に…された事だ。
でも、それも全部。
「それも私が悪くて!」
「────違います」
そう言ったのは、銀髪の人だった。