天然お嬢と双子の番犬さん



──────…、



「会いたい人がいるから」



ビクッと反応したのは、リヒトさんだった。

口を閉じたまま何も言わない。



「それはあの二人の事ですか?」



暫くして口を開いた。




……えっ!?
なんでこれも分かるの!?


も、もしかして仕事って…!!



「エスパーさん!?」

「馬鹿ですか?」

「馬鹿!?」



馬鹿って酷いよ!


大きな溜息が聞こえた。



「……あの男の方じゃないだけマシですが」

「?、あの男って?」



リヒトさんと目が合った。
何か悩んでいるように見える。



…………あ、れ?



「貴女が知る必要はありません。どうせ、もう二度と会わせませんか……ら、?」



リヒトさんの顔に向かって、手を伸ばした。自然と出てしまった。

…だから忘れていた。
”お願い”の事を。





バチンッ!





と、大きな音がした。

それはリヒトさんが、私の手を思いっきり弾いた音だった。
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