天然お嬢と双子の番犬さん
「えへへ…やっぱり和と湊だぁ」
ビクッとする二人の顔は良く見えなかった。
本当に…会ってくれないのかと思った。
二人があまりにもあっさり頷くから。
二人の手に自分の手を添える。
どうしてリヒトさんが言った事に簡単に頷いたの?
どうして私から離れる事を選んだの?
…とか。聞きたいことは沢山あったし、言いたい事も沢山あった、のに。
沢山頭の中でシミュレーションしたはずが、全部何処かに飛んじゃって。
「会いたかった…大好き…」
そればっかりが浮かんでしまって──────…、
あれ…今声に出しちゃってた??
ハッとして二人を見ると「あっ、私二人に言っちゃったんだ」と分かるぐらい真ん丸お目目だった。
いつもは簡単にその言葉を話してた。
それなのに、どうしてかな?
今は──────…、
ものすごーく!!恥ずかしい!!!!
顔から火が吹き出そうなほどに赤く染まった。
「ち、ちがうの!」
二人に向かって手を振り振り。
真っ赤な茹タコ顔を隠す為に俯いて弁解する。
「い…今まで一緒に居たから!だから!寂しくて!会いたくなっちゃって!だから好きとか…あっ!でも!好きなのは本当で!和と湊の事は好きだから傍に居て欲しくて!…じゃなくて!あ!でも違くないよ!?」
あわわわわ!?私今何を喋ってるのかな!?日本語わかんなくなっちゃったよ!?