天然お嬢と双子の番犬さん
「……ハッ、」
湊の声に吃驚した。
身体が大きく立てに揺れる。
「…は、はは。何も言ってないって?」
和の声にも吃驚。
二人から顔を完全に逸らし、汗がだらだら。
あれ?もしかして…誤魔化せてない?
「え、えっと…風!風の音じゃない…かな?」
「…風?…全く吹いてないが?」
その通り。さっきも今も無風。
……私の馬鹿!!
「……リンが…鳴いてたんだよ~……」
「ああ…ヘソ丸出しなあの猫が鳴いたんだね?」
ヘソ天にゃんこ、熟睡中。
………私の…馬鹿ぁ!
汗が次から次へ。
な、なにかいい誤魔化しをしないと。
…どうしよう!?全然思い当たりませんけど!?
「「お嬢」」
手首を掴まれ、引き寄せられるように顔を合わせた。
窓枠。
挟んでの、短い距離。
そんな距離で私の小さな言葉が聞こえないはずないって事だったのかな。
誤魔化す事も出来ないぐらい。
ハッキリ聞こえたのかもしれない。