天然お嬢と双子の番犬さん
睨み合う三人。
リヒトさんが大きく溜息を吐いた。
「近付けば…容赦なく排除すると言ったはずです」
…ッ、!
「「お、嬢?」」
二人に背を向け、リヒトさんに向かって手を広げた。
だって…ゾクッとした。
多分本能的だったんだと思う。
──────…二人が危ないって感じたから。
「違うの!これは本当に偶然で!…だから、二人は悪くないし。その呼び止めるような事したのは…私だったの。
えっと。だから…そんな事言わないで。
本当に悪いのは私だから…!」
「…っ、お嬢。僕達は大丈夫だから」
「そんな事しなくていいんだよ」
「でも私…大切な和と湊には傷付いてほしくないよ…それって駄目な事?」
振り返ってそう言うと、二人は同時に目を見開き顔を赤らめた。
和は口元を手で覆い隠し、湊は口角をヒクヒクと動かしていた。
っ、??
「和?湊?…どうしたの?何処か痛いの?」
二人の額に手を伸ばし当てた。
熱は無さそうだけど…。
もしかして具合悪いとか?