天然お嬢と双子の番犬さん



「大丈夫。それに全然悪い事じゃないよ?でも…僕達もお嬢の事が大切だから、」

「お嬢にも傷付いてほしくねぇんだよ」



きっと二人にとっては何ともない台詞なはず。
でも…”大切”なんて言われたら。


カァーっと顔が一気に赤くなっていった。


ドキドキして、やっぱり私は二人の事が…。




「離れろと何度言えば済む?」




いきなり肩を掴まれ引っ張られた。
飛び込む身体が宙に浮く。


軽々と持ち上げられる。



「再度言いますが…私は五十嵐花さんの犬ですので。老犬はさっさと消えていただけませんか?」



ろう…!?



「失礼な!和と湊はまだ26歳だし!!」



まだまだ若いし!失礼しちゃう!!



「うーん…まあ、そうだけど…」

「…そう言う意味で言ったんじゃねぇと思うぞ」



呆れ顔の和と湊。そして何とも言えない顔をするリヒトさん。



じゃあどう言う意味!!



「…一つ言っておきますが。私は20歳なので。私から見ればオジサンです」

「違うよ!和と湊は確かに年齢と顔と身長と学力が全く合ってないけど!お兄さんだもん!!」

「………お嬢、それ普通に傷付く」

「……さっきの台詞、忘れたのか」



はぁ、と大きな溜息が周りから聞こえて、床に足が付いた。

──────と同時に傅く。




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