天然お嬢と双子の番犬さん
五章
恋愛小説の行方
「学校に和と湊がいないなら。パパと二度と口聞かない」
そんな事をボソリと言った後、パパ全力の叫び声が響いた。
──────ハロー、月曜日。
「っ、仕方なく、だからな!?勘違いすんなよお前等…!!!」
指差す相手は和と湊。
涙目パパに呆れ顔のリヒトさんもいる。
「ってかなぁ!?元はと言えばお前が学校に行けばこんな事、!!」
「本業もやるように、と指示したのは貴方でしょう?
…それから、その事と彼女が口を聞かないと言う事は何ら関係ありません。結論無視される事になりますね」
「いやああああ!!!だああああ!!!」
目を伏せるリヒトさんと叫ぶパパ。
やり取りを見ていると本当に酒井先生みたい。
「…花さん、」
「え?あ、はい!」
躊躇しながら、悩みながら、私の名前を呼ぶ。
昨日から急に呼ばれていて吃驚する。
「何かあればこれを押してください」
渡されたのは、丸ロケット型のペンダント。
開くと中にボタンみたいな物が付いてる。
「GPSが入っていますので。これを押せば何処にいても居場所が分かります。
…それと一定の人しかわからない周波数を出すようにしているので、花さんは煩く感じるかもしれませんが、周りには聞こえませんのでご安心を」
「防犯ブザーみたいな感じ?」
「まあ…そうですね。とにかく必ず持ち歩いてください。…すみません、本当に」