天然お嬢と双子の番犬さん
謝る理由は一つ。
昨日言っていた言葉。
「…学校には沢山の女性がいるでしょう。生徒や教師、その中を長時間平然を保っていられる自信が、ありません…」
頭を下げ、申し訳なさそうに話すリヒトさん。
本当なら和と湊とチェンジする形だったと、教えられた。
だけどやっぱり辛くなったんだ、と話してくれたんだ。
私はリヒトさんに向けて笑顔を作る。
「どうして謝るの?
苦手な物が一つや二つなんて普通だよ!
それより、こんな綺麗な物ありがとう!ちゃんと持ち歩くね」
ネックレスの留め具を外し首に回す。
すると、後ろからピンと引っ張られた。
「付ける」
「湊?ありがと~!」
程よい長さ。
だけど、ワイシャツに隠れて見えない。
校則的にも問題なさそう。
「それじゃあ、行って来るね。
本業が何かわからないけど。
リヒトさんもお仕事頑張ってね!」
「パパも頑張るからぁああ~!花!パパの事大事にしてね!!?」
「…お気を付けて」
大きく手を振った。