天然お嬢と双子の番犬さん
「───────はなぁ!良かったわぁ~!!」
抱き着く鞠に私もぎゅーっとする。
普通に歩いていた私に感動したのか涙目状態だった。
「もう!一人で何処にも行っちゃ駄目よ?約束破ったら、デコピンの刑よ!」
「鞠のデコピン痛いからヤダなぁ~…」
「じゃあ、ちゃんとあたしの隣か、あの二人の傍にいるって事約束してよね!」
和と湊に向かってウインクした鞠。二人は苦笑いで頷いた。
「うん。約束するけど…」
鞠と二人の間には、いつも壁がある感じだった…だけど、なんだか急に仲良くなったみたいな気がする。
鞠の制服の袖を掴み、耳元に顔を近付けた。
「いつの間に仲良くなったの!?」
「全然!仲良くなんて無いわ。本当皆無よ。安心して」
あ、あれ!?
鞠は急にニマッと笑みを浮かべた。
「もしかして…妬いちゃったかしら?ふふ、」
「焼く?えっと?何を??」
「……花には少し難しかったわね!忘れて頂戴!!」
な、何の事!?
鞠に手を引っ張られる。
私達の手には体操着袋。
「早く着替えるわよ!花!更衣室いっぱいなっちゃうわ!」
「あっ!そうだね!和!湊!早く行こっ!」
今日は全校生徒で挑む、球技大会の日。
私の頑張りがきっと出るはず…な日!