天然お嬢と双子の番犬さん
全校集会も簡潔的に終わり。
───────いざ!球技大会スタート!
「頼むよ!東雲兄弟!!」
「「無理」」
…早々。
何故かバスケに出るのを拒む二人がいる。
「全く、何してんのよ。あの二人は」
大きく溜息を吐きながら、鞠は私の髪を丁寧に結ぶ。
クラスのチーム色、赤いリボンと髪を交互に編み込んでいる。
「僕達は出ないよ」
「なんでだよ!?元々出る予定だっただろぉ!?」
悲願する男子生徒の「なんで」に対して、私の方に視線を向ける和と湊。
…あっ。
そっか。
「鞠~?出来た?」
「ええ!完璧よ!」
一仕事終え、笑顔の鞠にお礼を言ってから二人の元へ。
「和、湊」
「「…花」」
綻ぶ顔。
和の指先がちょこっとだけ髪に触れる。
ハチマキと髪の編み込みヘアー。
私じゃこんな可愛く出来ないや。
「桃園にやってもらったの?」
「…似合うな」
微笑む二人の手を取った。
「私、鞠から絶対離れないから安心して?
それに…二人のバスケしてる所、かっこいいから私見たいな。それでも出てくれない?」
「「……分かった。出て来る」」
「え!本当!?」
パーッと明るくなった後ハッとした。
二人の手を離し自分の頬を覆う。
…でも、カッコ良すぎてみんな好きになっちゃったら、どうしよう?
「…花?」
顔に出し過ぎてたかな。
二人共首を傾げてる。
「あまり…かっこいい事しないでね?
二人がかっこいいのは、知ってるけど。
……そういうの、私だけが知っていたいから、」
「は、あっ!?…う、うん。でも花もそう言う事誰にも言わないでね…」
「っば、か!…言うな。そんなもん、やるわけねぇだろ…当たり前な事、言うな…」
顔を逸らし、最後の方は消えないぐらいの小さな声を出す二人。
そんな二人に隣にいた鞠は大きく溜息を吐いた。