天然お嬢と双子の番犬さん
「「「キャアアア!!!」」」
悲鳴に近い、真っ黄色な声援は、体育館にいる全員の鼓膜が破けそうなぐらいだった。
群がる女子生徒。
及び、女性教師。
埋め尽くす勢い…というより既に満員な第二コート。
全員のお目当ては…、
「きゃああ!見た!?東雲くんの!」
「もおお!かっこよすぎて頭痛い!」
和と湊だった。
「みんな凄いね~」
「ほんと、五月蠅いわね…花、人混みから離れましょ。あっちの第一コートなら空いてるわ」
空いてる、というより誰もいないに等しい。
鞠と手を繋ぎ、隅っこの方へ移動する。
響く歓声は何処にいても聞こえてるみたい。
「あああ、もう!ここでもうるさいわね!?」
「そだね~…。流石に耳が痛くなってくるね…」
…二人の様子が人のせいでよく見えないのも悲しいけどね。