天然お嬢と双子の番犬さん
「俺等が言ったのは…」
「いや!いい!これで行こう!」
「は?おい、何言ってんだ和」
「離れていいの?僕は嫌だけど?」
「ちげぇだろ。動ける幅が限ら…」
言い争う二人を見て今がチャンスとでも思ったのか、一人の男が日本刀を振り回す。
リーチは絶対あっちの方が長いのに。
どう考えても数が多いあっちが有利なのに。
どーしてもこっちの勝ちが確定しちゃうんだよね。
「馬鹿みてぇに振り回せばいいってもんじゃねぇんだよ。猿か」
「お嬢が怪我したらどうするつもりだ?クソ猿」
人間ってあんなに飛ぶんだなぁ、と思わず拍手したくなった。
二人の蹴りは見事にめり込み、吹っ飛ぶ。
床でポンポーン、と二段ジャンプした。