天然お嬢と双子の番犬さん
「ええ!?どこ行くの!?忘れ物!?」
今気が付いたの!?
また戻るの大変じゃない!?
「違うよ」
「待ち伏せされてんだよ」
顔を少しだけ出して見てみたが、そんな感じはしない。
「先輩達?」
「「筋者」」
すじもん?…って事は極道の人って事?
ええ…昨日もストーカーされて、拉致されたのに。今日も懲りずにー?
今日は真っ直ぐ帰りなよ。
若頭二人もいるよ、ここに。
「お嬢、裏門ってある?」
「あるけど…反対側だし、普段閉まってるよ」
「他に出れる場所ねぇのか」
「高いフェンスあるから難しいと思うよ?」
二人よりも高い緑色のフェンス。
それが学校の周りを囲んでいる。
追いかけて来てる先輩達もいるし、流石に登れる時間無いと思うけどなぁ。
でも、二人はニヤッと笑った。
「僕達にはそんなの関係ないね」
…どれの事だろ?