天然お嬢と双子の番犬さん
まあ帰り道は必ず二人がいてくれるから。…誘拐されてからの後だから一緒なだけなんだけど。
でもここで出て来る人なんて滅多にいない。だってここは五十嵐組の領地みたいなものだし。大体、若頭が二人して私に付きっきりなのに、会いに来る人なんているわけないよね。
「みんな!ただい─────、」
「ふざけんじゃねぇ!!!!」
門をくぐったら、突然響く怒鳴り声。パパの声だ。
久しぶりの大声に思わずビクッとした。
「お嬢!若頭!」
慌てて駆け寄ってくる。
「何の騒ぎ?」
「そ、それが…急に”ルーフス”っていうマフィアが乗り込んできて…」
ルーフス?
初めて聞く名前。
「えっと…それで、お嬢を嫁にしたいって…」
………なんで?
初めて聞く名前の人と?結婚?
え??
なんで????
ハテナしか出てこない。