天然お嬢と双子の番犬さん
「お嬢、あれ生徒か?」
湊の言う方向に見えたのは、今時誰もしないだろう、白いスーツ姿と長い赤色ストールを付けてる人。
うん。どう見ても生徒チガウ。
知らない人ダ。
あれが生徒なら趣味悪すぎの制服ですな!よかった普通で!紛らわしくなくてヨカタァ!
「違う!」
「「了解」」
速度は変わらず、正面へ突っ込む。
「その女をよこ、
───ブヘッ‼」
最後まで言わせる事も許されず。
白おじさんの顔に入ったのは、湊の膝。
慌てる連中に、和のグーパンが炸裂。
さっきまで道を塞いでいたはずの人達が一気にいなくなった。
そして、そのまま知らぬ顔で通り過ぎた。
「このまま行けば少し並ぶだけでいいんじゃねぇの」
「え!湊がそう言うの珍しいね?」
「ああ…和の奢りだからな」
吃驚する和だったけど構わずお礼。
「ほんと!ありがと!和!」
「仕方ないなぁ~。お嬢の為なら喜んで出すよ」