天然お嬢と双子の番犬さん
「んーっと…お嬢に合わせていいよ?」
「俺も別にアイスじゃなくていいが?」
今の時期、それほど暑くはない。
まだ夏にはいる前だし、一応春に入るから。
季節はね。
あれ、もしかしてバレてないと思ってる?
「だって二人共今暑いでしょ?沢山走ったもんね」
「えっと…僕達そんな素振りしてた?」
素振り?
いや、全然?
左右に首を振った。
「……んでわかんだよ」
湊が溜息を付き、ネクタイを緩めた。
同じく、和も苦笑いしながら緩める。
息切れ=疲れてるじゃないからね。
「分かるよ。だって、二人の事は私が一番見てるから。大好きな二人の事なら分かるよ」
和が瞬きせず、真顔で私を見てる。
あ、そうだ。
ケーキも選ぼっと。
「は?それなのになんで下心は分かんね、モガッ」
あれ、今なんか早口和の声が聞こえたような?
見ると、和の口を塞ぐ湊がいた。
え?湊?
何してるの?
「…容量オーバーだ」
「えっと、なにが?」