天然お嬢と双子の番犬さん
「…そのマフィアが復活したって事か?」
「だろうな。それ以外考えられん。
俺は素手でやったからな。殺してねぇし。
そこから懲りずにまたやってんだろ」
竜二の声が低くなった。
溢れる怒りに目が据わる。
「静かにしてれば相手にするつもりは無かったが、
──アイツ等は俺を怒らせた。
情報屋に連絡し、ルーフスについて徹底的に調べ上げろ」
溢れる殺気で若頭二人以外、全員の顔がこわばった。
全国トップ組長、獲物を狩るようなオーラ。
どれだけ鈍感な人でも感じる恐怖、悪寒。
意図せず震える体を無理矢理抑える者もいた。
「俺を怒らせた事を後悔させてやれ。
だが、殺すな。
生き地獄を味わわせてやる。
地獄に落ちた方が幸せだと身をもって感じさせろ。
五十嵐組を敵に回すと言う事がどういう事か、骨の髄まで教えてやるんだ。いいな」
「「了解」」
若頭二人の殺気の籠った声の後、後ろで全員が頭を下げた。
***