天然お嬢と双子の番犬さん
「ここで何話してんだ」
黒色の浴衣を着た湊が来た。
袖に手を入れている。
「転んだ時、痛いやつ!」
「…は?」
その状態で転んだら、手が隠れてるから頭から行くやつだぞ!痛いじゃん!
「手!出した方が怪我しないと思う!」
「俺は転ばねぇ」
「へぇ…じゃあ転んでみる?」
人間って意外と故意では転べないと思うけどー…?
歩く湊の前に出た足。
跨ぎにくい高さに足かけをした。
浴衣着てるし、一歩が普通より小さいから…まあ、私なら確実に転ぶやつ。
───躓く湊。
ああ、これは転ぶと思った瞬間。
目の前で宙に浮く。
「…ッ、んだよ。急に」
「うわー、空気読んでほしー」
「無傷!前転宙返り!満点!」