天然お嬢と双子の番犬さん
***



夜、時刻は十時過ぎ。
縁側に二人の影が映る。


───和と湊だ。



湊の隣にある灰皿には沢山の煙草の吸殻。吸っていた煙草を押し付け、新しい煙草を咥える。


隣では膝の上で頬杖を付く和がいた。
ぼーっと、庭の景色を眺めている。





「お嬢に悪戯したい」



「…は、」





突然の和の宣言に、湊の気の抜けた声が出る。


……しばし、沈黙。




「お嬢に悪戯したい!」


「聞こえてっから、無視してんだろうが」




二度目の宣言に思わず返事をしてしまった湊。

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