天然お嬢と双子の番犬さん
「え、湊はしたくないの?大丈夫か?」
「俺の台詞だろ、絶対」
真顔の問いに真顔で返事。
溜息をついた和に湊は隣で煙草の煙を吐く。
「純粋無垢代表って感じするじゃんお嬢って」
「……うるせぇな」
「あ、否定しないって事は湊も思ってたってことか」
ケラケラ笑う和に湊の眉間のしわが増えた。
──風が吹く。
夜風に揺れて緑の葉が舞い散る。
笑っていたはずの和が真顔に。
見ているのは、雲に隠れそうな満月。