天然お嬢と双子の番犬さん
関西の極道
翌日、今日は何事もなく帰ってこれた。
これも全部二人のお陰。
先輩とは一悶着あったけど。何とかのらりくらり躱して帰宅した。
ただ和と湊は、いつもより周りを警戒していた気がした。
昨日の事が原因なのかな?
でも、そんな怖い顔したらみんな恐がるよ。
それに──、
「ん?どうしたのお嬢」
笑う和が言った。
うん、やっぱり。
「二人の怒ってる顔より、笑ってる顔が好き」
「「…ッ、ゲホッ!」」
同時に咳き込んだから吃驚した。
「ど、どうしたの!風邪引いたの!?」
和の風邪、湊にもうつったの!?もしかしてずっと我慢してたの?大変!今すぐみんなに知らせなきゃ!
「ちがッ…ゲホゲホ‼」
「む、せた…だけだ」
「え?そうなの?」
二人の背中を摩りながら落ち着かせた。
確かに急に器官に入ることあるよね!
「はなぁ~!おかえりっ!」
軽やかに走ってくるパパはいつもより決まっていた。今日は浴衣じゃなくて黒色のスーツ──、仕事着だった。