天然お嬢と双子の番犬さん


…いつの間に来たんだろ。
着替えている間かな?


今日は紺色の浴衣。白い百合が華やかに描かれている物で、大人っぽい雰囲気にしてくれる。



──てん、


視線の先に転がってきたのはピンク色のボールだった。


パールピンク色のサッカーボールくらいの大きさ。幼い頃に一度は遊んだことがあるような丸い弾力のあるボール。


それを拾いつつ、何処から転がって来たのかと周りを見た。


でもこの家からご近所さんまで大分離れているし、空き地が合っても誰も怖がって近寄って来ない。子供でもそうだった。




誰が…、



転がってきた右側の方を向いた。

…女の子?



水色のスモックを着た二つ結びの女の子がいた。静かに近づいて同じ目線になるようしゃがんだ。


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