天然お嬢と双子の番犬さん
──怖い?
火傷の痕を見せた状態でって事?
左右に首を振った。
「この傷も春比古くんの一部でしょ?だから、怖くないよ」
吃驚はしちゃったけど。
でも、怖くないのは本当だよ?
もっと凄い事なってる人と会った時は、プチトラウマになっちゃったけどね…。
「?、春比古くん?」
春比古くんの顔が赤くなっていた。
「…そないな事言いなや」
そう言いながら顔を隠す。
…私、何か春比古くんを傷付けるような事言ったのかな。
「ごめんね。私何か傷付ける事言ったかな…?」
傷の事にふれられるの嫌だったかな。自分のテリトリーにズカズカと入られたらいい気はしないよね。
「…ちゃう。逆や」
指先が私の髪に触れた。
大きな瞳を細め、束を取りキスを落とす。
「欲しなってしまうやろ、」
呟くその言葉は風に乗って小さく消えた。
グンッと近づいた顔は目の前に来る。