離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました


「だめ、というか……なんか、恥ずかしいなって思って」

「恥ずかしい?」


 達樹さんはクスッと笑い「今更?」と言う。


「もう、みのりの隅々まで知ってるのに、それでも恥ずかしいもん?」

「……!」


 さらっと物凄いことを言われて、脳天から蒸気を噴き出したかと思った。

 相当真っ赤になっていると思われる顔で振り向き、達樹さんを見上げる。


「す、隅々って! そういう恥ずかしいこと言わないでください!」


 抗議しているつもりでも、赤面がひどくて全く迫力がない。

 そんな私の頬に唇を寄せ、達樹さんは「ごめんごめん」と軽く口づけた。

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