離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
「すぐ赤くなるところも可愛い」
「もうっ、からかいすぎです!」
達樹さんの意地悪にたじたじな私は、また顔面温度が急上昇。
軽く受け流せないのが悔しい。
「私はいいいとして、達樹さんの浴衣がすごくお似合いですよ」
「そうか?」
この様子だと、本人は周囲の視線にも気づいていない模様。
一階まで下りてくると、廊下やロビーラウンジですれ違う女性の視線が達樹さんに向けられていくのを横で感じている。
私もさっき着替えた達樹さんを目にしてから、少しドキドキしているのは否定できない。
浴衣マジックなのか、普段よりも色気が増しているのだ。
そんな達樹さんにさっきのようなことを言われたら、鼓動が暴走するのは免れない。