離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
先に入っていてもらい、尚且つ私が入ってくるときには直視しないでほしいとお願いをした。
達樹さんは「そんなに厳重警戒?」と笑っていたけど、そうしてくれないと入りません!と言って約束してもらった。
もう体は許した相手だけど、やっぱり素で見せるのは訳が違う。
大々的に披露してもいいスタイルの持ち主なら恥ずかしくないと思うけど、私はそんな体型ではない。
達樹さんは私とは違って引き締まってるし、筋肉が逞しいし、全く隠さずで問題ない。むしろ、見せびらかしてもいい体だ。
ガラス張りのデッキから見えない位置で浴衣を脱ぎ、覗くように外の露天風呂を覗くと、達樹さんは広がる緑豊かな景色を眺めながら温泉に浸かっている。
そろそろとデッキに出る扉に近づき、静かにドアを押し開けた。
「そのままですよ。こっち、見ないでくださいね」
外に出て開口一番そう言う私に、達樹さんはやれやれといった調子で「はいはい」と苦笑する。
信用していないわけじゃないけどどうしても気になって、体を洗いながらチラチラと背後を確認。そのままさっと湯に足を沈めた。
慌てて入っても熱すぎない温度で入りやすいのが幸いだ。