離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
暴走する独占欲


 今日から六月。

 広い窓の外は今日も眩しい陽の光が注がれている。

 ダイニングテーブルには、スクランブルエッグとソーセージにサラダを添えたプレート。

 パンはホームベーカリーの予約機能で焼いておいたミルク食パンだ。

 カップからは、コーヒーのいい香りが漂う。


「そうだな……色々リクエストは聞いてもらったし、たまにはみのりの食べたいものにしたらどうだ?」


 今日は病院勤務ではなく、もうすぐある学会のために外出するという達樹さんは午後には仕事が終わるという。

 夕食を一緒に食べられるなら何がいいかと訊き、返ってきたのは私の好きなものにすればいいというなんとも困った返答だ。

 私の好きなものか……うーん。


「自分で作るから、特に何が食べたいとか思い付かないんですよね。これといって」

「それなら、俺が作ろうか?」

「えっ、達樹さんが?」

「人に作ってもらうなら何がいい?」


 まさかそんな風に言われるとは思ってもみず、「うーん」とうなりながら真剣に考える。

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