離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました


 お昼過ぎから習っている華道教室へと出向き、その後、実家の近くチェーンカフェPalm Coffeeに向かう。

 昨日、少しぶりにあっ君からメッセージアプリに連絡が入り、会えないかと言われたのだ。

 ちょうど実家に用があって戻るらしく、それなら私も実家近くの華道教室に行く日だからと、地元で会う約束をした。

 カフェに入り店内をぐるりと見回すと、あっ君はすでに店内奥の窓際の席に腰を落ち着けている。

 アイスのソイラテを買い求め、私を待つ姿に「あっ君」と声をかけた。


「ごめん。お待たせ」

「おう、来たか」

「暑いね、今日」


 バッグからタオルハンカチを取り出しながら額に滲んだ汗を押さえる。

 今日もあっ君はこれから仕事に向かうのか、スーツの装いだ。


「話って、どうしたの? 何かあった?」


 席につき早速呼び出しの本題に入る。

 すると、あっ君は真顔で向かいにかけた私をじっと見つめた。

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