離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました


 年上の幼なじみだという相手に、俺との関係に悩んでいたことを相談していたという。

 みのりを気にかけて呼び出し、冗談でも離婚したらもらってやるなどと言うくらいだ。彼女に惚れていることは一目瞭然だった。

 彼女が正直に話せば話すほど、自分を責める気持ちに苛まれた。

 離れていた一年に彼女がどれだけひとりで悩んだか。

 虎視眈々と彼女を奪おうとしている存在がそばにあったこと。

 そんな状況を作りあげたのは全部自分だということを思い知った。


「あのっ、怒ってるんですか?」


 なすがまま手を引かれながら、みのりは不安そうに問いかけてくる。

 彼女を責めたり、怒っているなんて気持ちは微塵も存在しない。

 悪いのは全部俺なんだから。

 ベッドルームに入り、チェストから保管してある離婚届を取り出す。


「達樹さん……?」


 それを目にしたみのりが目を見開くのを目撃した直後、彼女の細い体を乱暴にベッドに組み敷いた。

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