離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました


「達樹さん……お願い、話を」


 懇願するような声はもはや情欲を駆り立てる材料にしかならず、抑えきれない熱を彼女へとぶつけた。


「ああぁっ──」


 呼吸を忘れてしまったような彼女の唇に深く口づける。

 愛しくて、誰かの手になんか渡せるはずもなく、何があっても繋ぎとめておきたい。

 一緒に過ごして日増しにその気持ちは増大していき、今はもう止まらない。

 昇りつめた彼女を許すことなく、快楽の波にさらう。

 涙を浮かべた大きな瞳に口づけ、ベッドサイドに置いた紙切れを乱暴に掴み取った。


「これ……どうする?」


 こんなもの、今すぐ燃してしまいたい。

 とろけた顔で俺を見上げる彼女の目の前で、気づけば手にする紙を真っ二つに破っていた。

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