離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
初めてを全て捧げて
いつもと違う枕での寝心地に意識が浮上してきて、ホテルに宿泊したことを思い出しながら目が覚めた。
ベッドサイドの可愛らしい照明だけ灯して眠った暗かった部屋には、広いガラス窓から朝日が差し込み眩しいくらい明るくなっている。
「今、何時……?」
広いベッドでむくっと上体を起こし、枕元に置いて寝たスマートフォンを手に取った。表示された時刻は七時四十分。
時間を確認すると、まだ急がなくてもいい時間だとわかり再びベッドに体を沈めた。
達樹さんがこの部屋を出ていったあと、ひとり広いバスルームで入浴を済ませた。
出てくると達樹さんからメッセージが入って来ていた。
【明日、戻れそうなら一緒に朝食をとろう。また連絡する】
勤務後、間に合えばここに戻ってくるつもりなのだとそのメッセージを読んで解釈した。
しかし、その後彼から連絡は入ってきていない。
今も時間を確認するために点灯させた画面には、新しいメッセージの通知は表示されなかった。