離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
「あの、達樹さん、その」
「今度こそ邪魔は入らないから、仕切り直し」
「え、そ、そんな──」
触れていた鎖骨に吐息を感じた次の瞬間には、そこに吸われたような感覚が走る。
意図せず「あっ」と声が出ると、達樹さんはフッと笑って次々とデコルテ周辺に唇を押し当てていく。
「た、達樹さんっ」
聞こえるリップ音と共に肌が粟立ち、眼下すぐにある綺麗な黒髪に息を呑む。
胸元に置いていた両手はやんわりと剥がされ、あっという間にワンピースの前ボタンが外されていた。
「やっ、恥ずかしい」
「恥ずかしい? 恥ずかしがることなんて何もない。こんなに綺麗なんだから」
開いてしまったワンピースの前を閉じようと押さえる私の手首を掴み、達樹さんは結んだ薄い唇に笑みをのせる。
目が合うと「見せて」と優しい声音で言い、そっとガードする手を退けていく。
その眼差しと言葉は魔法のようで、言われるがままワンピースのはだけたブラを身に着けただけの姿を晒していた。