離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
「何、してるんですか!」
「何って、いいところにあったから」
「なっ!」
そのうちにルームウェアのパーカーの裾から手が侵入してきて、ブラのカップの上からふたつの山が覆われる。
「あっ、っ──」
意識とは別にぴくっと体が震え、鼻にかかった声がわずかに漏れた。
「ちょっとイタズラするだけのつもりだったけど……だめだ」
「へ? きゃっ──」
耳元で囁かれた直後、ぐらっと視界が大きく傾く。
気づけばソファの座面に押し倒されていて、口角を上げた小悪魔な表情の達樹さんに見下ろされていた。
「煽るほうが悪い」
そんな意地悪な言葉を浴びせつつも、私の頭を守るように後頭部に手を添えて組み敷いた達樹さんにはやっぱり余裕がある証拠。
一方で私のほうには動揺しかなく、達樹さんを見つめたまま捕らわれた小動物のように固まる。
「あ、煽ってなんか」
「じゃあ無自覚ってこと」