離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました


 達樹さんの綺麗な顔が近づいてきて、自然と目を閉じる。

 ファーストキスから一週間で、もう数えきれないくらい達樹さんに唇を奪われた。

 口づけが落ちてくる雰囲気を感じ取ることができるようになり、目を閉じて受け入れることが上手くなった。

 でも、キスに慣れたわけではない。

 他に比べられる対象も経験もないけれど、達樹さんはキスが上手いと思う。

 触れるまでの空気感にはいつもドキドキさせられるし、優しい口づけも深い口づけもどれも甘い。

 頭の中が痺れそうになる感覚を覚えながら必死に受け入れているけれど、私にはまだまだ難しい。


「っ、ん……ふっ」


 唇を割ってキスが深まると、絡み取られた舌が遊ばれ音を立て始める。

 愉悦が広がり、勝手に下肢がもじもじと動きだした私の腰に、達樹さんの温かい手が触れた。

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