どうしているの?ねぇ、先輩…
<直人side>
翌日、瞬ちゃんと大ちゃんとラーメン屋に来ていた。
「はぁ……」
3回目。
「はぁぁーー」
4回目。
「はぁ~…」
5回目。
「は、」
「6回目!」
今のため息、ラーメン屋に来てから6回目!
このままじゃ、せっかくの土曜ランチ限定ラーメン500円(ライス付き)が、ため息に染まって不味くなる。
「なんなの、さっきからため息ばっかり」
「え」
「こっちまで聞こえてきて気になんだけど」
「ええ…」
「……熱ぃ」
俺と瞬ちゃんの間に座っている大ちゃんは、瞬ちゃんのため息なんて聞こえてないのかラーメンに夢中。
そんな大ちゃんとは違って、「はぁ…」「はぁぁ…」って俺まで聞こえてくるため息に、ラーメンを食べたいはずの俺の耳は釘付けなわけ。
「ずーっとため息ばっか」
「え、うそ。まじ?」
「は?自覚なし?」
「うん」
あんなでっかいため息なのに自覚なしって……まじで?
「なに、あず先輩とケンカでもしたの?」
「……いや」
瞬ちゃんの箸にすくわれていた縮れた麺が、箸と一緒にスープの中に戻っていった。
「…………」
あ、この感じ、ほんとにケンカしたのかも。
「してねぇよ。あずさから、さっき浮かれたLIME来てたし」