どうしているの?ねぇ、先輩…



食って食って食って食いまくって。


食べ盛り真っ只中だから相当食って、「ごちそうさまでした!」って叫んで店を出た。



「あーー、食った食った!」

「お前食いすぎ」

「……眠ぃ」



幼稚園からずーっと一緒の男3人。


青春真っ只中の高校生のはずなのに、今日もいつもと変わらない、男3人。


こんなに天気がいい空の下……いっつも見てる顔が、今日も隣を歩いてる。



「あーー、俺の青春、どこにあんだよーー!」



近くにある川沿いの堤防に飛び乗って、川を見ながら座り込む。


真昼間の秋の風が、川の匂いを俺の鼻へとつれてきた。



「青春って。お前毎日楽しそうじゃん」

「楽しいよ!楽しすぎるよ学校!」

「じゃあいーじゃん」

「彼女とラブラブ絶好調の瞬ちゃんには俺の気持ちなんてわかんねぇっつの」

「悪かったな」



そうだよ、ため息の一つも吐かないラブラブ絶好調の瞬ちゃんには──



「いや、ため息!そうだ、瞬ちゃんため息吐いてたんだ!」



またすっかり忘れてた。

それが気になってたのに、気になってたことすら忘れてた。



「瞬ちゃん!」

「んー?」

「ため息の理由、なに」

「え」

「教えて、なにがあったの」



堤防で、俺の横に瞬ちゃんが座ってる。

大ちゃんは固いコンクリートの上で、もう寝転んで目を閉じていた。



「いや、なにがあったっつーか……」

「うん」

「なんもないっつーか」

「うん?」

「……」



なに、そんなに言い辛いこと?

俺にも言えないような、そんな悩みが瞬ちゃんにあるの?


俺、……ごめん、全然気づいてあげられなかった。

どうしよう、ずっと幼馴染やってきて、毎日のように一緒にいたはずなのに……


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