どうしているの?ねぇ、先輩…
「瞬ちゃん、なんでも言って!俺、なにがあっても瞬ちゃんの味方だから!だてに幼稚園から幼馴染やってねぇから!」
「あー……うん」
瞬ちゃんが気まずそうに目を伏せて黙り込む中、ピーピー鳴いてるスズメの声が、俺らの耳を通り抜けていく。
「直人、あのさ」
「うん」
胡坐をかいて向かい合う、男2人。
真剣に瞬ちゃんを見ていたら、視線をあげた瞬ちゃんと目が合った。
「もしかして俺のこと、好きなのかな?」
「……。」
は?
「は?え、え、なに言ってんの、俺ゲイじゃねぇし!」
「は?」
「俺、男に興味ない!つーか俺、女の子大好きだし!」
「あ、そう」
「は、なに、もしかして傷つけた!?ごめん、え、なに、瞬ちゃんが俺のこと好きってこと!?え……まじで?」
「バカかお前。俺はあずが──」
「あ、そっか。そうだよね、瞬ちゃんはあず先輩が好きだもんね」
「……」
「そうだそうだ。うわ、なんか無駄に焦ったー」
変な空気が流れたなって、その空気を取り払う為に大げさに笑ってみせる。
だけど全然、瞬ちゃんの顔が笑ってくれないのは、なんで?
「……あーやべぇ、俺やっぱ傷つけちゃったかもしんねぇ」
そう声を上げながら、腕で目を隠すように瞬ちゃんも堤防に寝転んだ。
「……」
瞬ちゃん、
傷つけたって……誰を?