どうしているの?ねぇ、先輩…
4.討論会
〈美香side〉
土曜、日曜って寝て過ごして、あっという間の月曜日。
秋の涼しげな高い青空とは打って変わって、私の心は曇り空……
憂鬱は、放課後が近づくにつれ重くなっていく。
「風邪、治ったの?」
章くんに声をかけられたのは、教室……じゃなくて。
生徒たちで賑わう、お昼の学食内。
なに食べようかなってメニューを選ぶこの場所で、後ろから章くんが顔を出した。
「うん、治った。冷えピタ、ありがとね」
「保健室のだけどね」
「うん、でもありがとう」
章くんの気持ちを知っているのに、ひどいかな。
こんな場所で、違う人を想ってドキドキするの、ひどいかな。
でもね、どうしても考えちゃうんだよ。
いるんじゃないかって、会えるんじゃないかって。
もしも会ったら私、どんな顔で、どんな風に話せばいい?って。
そればっかりを考えちゃうんだよ……
どうしよう、ほんとにドキドキする……。
メニューに釘付けな視線だけど、本当は、そんなのさっきから1つも見えてない。
体全部がドキドキして、震えそう。
会いたくて、会いたくない先輩に、偶然会えるかもしれないこの場所で、震えそう。