どうしているの?ねぇ、先輩…



気まずい、はずなのに。

先輩、普通だな。

全然、あんなこと気にしてないみたい。

私の気持ち、バレてるはずなのに。



先輩モテるし、告白とか、きっとすごいされてるんだろうし……

そっか、慣れてるから私とのあんな出来事、全然気にしてないのかも。


それはそれで、ショックだな……



「なぁ七瀬」

「はい」

「あのさー」

「はい」

「この間の、」

「あ、瞬くーーん!」

「、」



聞こえた声の先を……見たくない。

なにがなんでも、見たくない。


見たくない……のに。

動いていく視線を、止められない。



「あず、どした?」

「席、窓際に取っといたからー!みんなもういると思ーう!」

「おー、サンキュー」

「あ」

「え」

「あああーー!!」

「!」


少し離れた場所にいるあず先輩が、謎の奇声を発したあと。

どうしてか目をキラキラさせて、すんごい笑顔でこっちに向かって走ってきた。


なんで、

え、なんで私のほう見て走ってくるの!?


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