どうしているの?ねぇ、先輩…



「可愛いなー、可愛いなー、ねぇ身長いくつ?」

「えっと、ひゃくごじゅう……」

「聞いた!?瞬くん聞いた!?160ないんだって!」

「だからなんだよ」

「あー、彼女にするなら絶対こういう子に限るよね。なんかもう見た目が美味しそう!今すぐ連れ出して食べちゃいたい!マシュマロみたいプリンみたい焼き芋みたい!」

「……焼き、芋」


それは、喜んでいいのか。


「あずお前うるせぇって。七瀬ビビってんだろ」

「ねぇねぇ、そこの会長なんかほっといて、お姉さんとイケないことしよーぜ?」

「え…」

「ははっ、1人でしてろバーカ」

「はい、お先にカツカレーねー」

「おぃーっす、どーもー」


食堂のおばちゃんから手渡されたカツカレーは、瞬先輩のトレーの上に乗っかった。

セルフサービスの福神漬けを大量に乗せて、先輩はトレーを持ち上げる。



「んじゃ、お先ー」



行っちゃった。

後ろ姿になっちゃった。


次会えるのは、放課後かな……


長いなぁ……放課後まで。



「可愛いなぁ、ほんと」



隣で笑うあず先輩が、ニコニコしながらじーっと見てくる。



「なんか、うん、雰囲気が可愛い」

「………」

「うっらやましいなぁ」

「、…」



うそ……だ。

羨ましくなんてないくせに。


瞬先輩に好かれていない私のことなんて……羨ましい訳ないもん。


本当に羨ましいのは……私のほうだもん。


< 124 / 550 >

この作品をシェア

pagetop