どうしているの?ねぇ、先輩…
「あとその右の花びら、影つけた方が……あとその、」
「そんな言うんなら手伝ってやればいーじゃん」
「めんどく、」
「是非!御願いします!」
「……。」
こんなの1人でやっていたらいつまでかかるかわからない。
けど。
でも待って……これってまた「助けてもらう」ことになる?
あず先輩ならこんなとき、全部1人で頑張る…?
「んじゃここで春田待ちながら手伝おうぜ」
「ヤマなんもしねぇくせに、偉そうに言うな。」
「俺、美術苦手だもん」
私の思考なんて知るはずもない大ちゃん先輩が、床に置いてある紙の前に座り込む。
ヤマって呼ばれたピアス先輩は、適当にイスに座った。
「これ、使ってい?」
「はい、どうぞ」
置いてあるペンを手に持って、大ちゃん先輩が桜の絵を描いていく。
絵、上手いんだな。すごいスラスラ描いてる。
あんまりにもスラスラ描くから、隣に座ってその様子をしばらく観察させてもらうことにした。