どうしているの?ねぇ、先輩…
「待って瞬ちゃん、早まんないほうがいーって」
「………」
「つーか進路のことなら、俺より同じ3年の大ちゃんのほうが、まだまともに相談できんじゃない?」
「まぁ、そうなんだけどさ…」
いや、でもな……同じ3年でも、あの男じゃ俺と変わんない気もする。
つーかどっちにしても、瞬ちゃんが大学行かないなんて言いだしたら、先生も親も友達も周りも、みんなびっくりしてひっくり返るよ。
「理由は?なんで急にそんなこと思ったの?」
「………」
「瞬ちゃん?」
しばらく黙り込む瞬ちゃんが、何度も小さく息を吐く。
それがため息なのか、それともただの息遣いなのか……俺には判断できなくて。
もしかして、言えないような理由を抱えているのかなって……いよいよ心配になってきた。
「瞬ちゃ、」
「守れねーじゃん」
「え?」
ただ前を見据えて言った、瞬ちゃんの「守れねぇ」
誰を守れないのか、なにを守れないのか、わかんないけど……
守れないから、大学には行かないってこと?