どうしているの?ねぇ、先輩…
「ちょっ、あれ春田先輩じゃん!」
「きゃーー!おはようございます!」
「おー、おはざいまーす」
「ぎゃーーー!」
移動教室に向かうクラスメイトの女子たちが、奇声をあげて騒ぎ出す。
見上げるすぐそこに先輩はいるのに、人気者すぎて、なんだか遠い人みたい。
なんて……ただ一緒に生徒会をやってるだけで、元々近いわけでもないんだけど。
「めぐちゃん、行こう」
「え、いいの?」
「うん」
めぐちゃんの腕をちょいちょい引っ張って、女子で賑わう廊下を歩き出す。
だってこれだけキャーキャー言われていたら、もう言葉なんて交わす隙もない。
……はずだったのに。
「七瀬ー!」
「、……」
引き止められて、止まったあとすぐ上を見上げたら。
瞬先輩が、キャーキャー言われるその上から、こっちを見ていた。