どうしているの?ねぇ、先輩…



「私ね、人と人がいつまでも同じ気持ちで一緒にいられるなんて、ないと思ってたの」

「……」

「幸せな、傷つかないで済む恋がしたいって言ってたけど……ほんとはそんなの、ただの理想でしかないって、どこかで冷めたことも思ってて」

「……」

「いつか気持ちは変わって、いつかどうせ、みんな離れていくんだって……」


めぐちゃんとチトセくんが、いつか離れていくって言われていると思ってか……

めぐちゃんの顔が、ますます不機嫌になっていく。


「あのね……うちのお父さんとお母さん……今、離れてて」

「え?」

「今日もお母さんが家に男の人連れ込んでて……それで私、行く場所がなくなったんだ……」

「………なにそれ」

「そんなお父さんとお母さんを見てきたからか、人は簡単に離れ離れになっちゃうんだって……そう思うようになって。……今は幸せそうに笑っていても、いつか壊れちゃう、変わっちゃうって」


昔笑っていた頃の家族を思い出して、泣きそうになる。

だから膝の上の拳をぎゅっと握ったら、余計に涙が滲んできた。



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