どうしているの?ねぇ、先輩…



「よし美香ちゃん、俺が歌うからタンバリンで盛り上げて!」

「はい、盛り上げます!」


曲を入れ終えた洋平先輩が、私にタンバリンを託す。

それを受け取って、なんの曲が流れてくるのか、タンバリンを構えたままスタンバイ。


盛り上げる。

その使命を全うするために、待つ。


数秒待って、流れてきた曲を聞いて……


瞬先輩が、笑い転げた。



「あっはっは、盛り上げるとか無理だろこれ」

「……。」



流れてきたのは、「栄光までの高橋」

どうしよう。これを盛り上げるのは、私には至難の業すぎる……。



「い~~くぅぅつもぉぉの~~毎日を超えて~~~!」






結局タンバリンの一つも叩けず、曲は和やかに終わってしまった。

なにもできなかった自分が悔やまれる……。


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