どうしているの?ねぇ、先輩…
「瞬くんから、言ったの?」
「え?」
「好き、って、そのカノジョに……瞬くんから、言った?」
瞬ちゃんの顔がやっと上がって、2人の視線がぶつかった。
「うん……俺から言った」
先に視線を外した大ちゃんが、嬉しそうに目を細めてふふって笑った。
「初めて、聞ーた」
「……」
「瞬くんが自分から、好きって、言ったの」
そう言われれば、確かにそうかもしれない。
瞬ちゃんはモテるから、告白はいつもされるほう。
自分から告白して付き合った彼女なんて、美香が初めてだ。
「すんごい好きなんだ、その子のこと」
「、…」
そうだよ、瞬ちゃんは美香のことがすっげぇ好きなんだよ。
大学だって行くのやめようかなって思ってたくらい、すっげぇ好きなんだよ。
好きなのに、なんで……
「もう二度と、会えないかもしんねぇけどな」
「、…」
笑う瞬ちゃんの声が、あんまりにも切なすぎて。
俺が失恋したみたいに、胸が痛い。
「自業自得過ぎて、笑えねー……」
「、」
なんで……
瞬ちゃんはこんなに美香のことを想っているのに、なんで?
おかしいよ、こんなの。
間違ってるよ、こんなの。
ねぇ美香……
早く、今すぐに、瞬ちゃんのとこに戻ってきてよ。