どうしているの?ねぇ、先輩…
「またウーロン茶?」
「お酒はもう懲り懲りです」
二十歳にしてアルコールに懲りている西沢さんが、プッハーとか言いだすからウーロン茶を飲んでるようには見えない。
つーかそれ、ほんとはウーロンハイなんじゃねぇ?
「ねー、みんなダーツやらないのー?」
大学での同期生、木元一花がカウンターに集まる俺らの元に寄って来た。
「俺ももういいや」
ごっつがきっぱり断ると、標的はすぐに次へ移る。
「じゃあにっしー、一緒にやろうよ」
「うん、じゃあ。あ、待ってください、電話きた」
スマホをポケットから出した西沢さんは、隣の席から立ち上がって少し離れた場所へ移動していく。