どうしているの?ねぇ、先輩…



ガチャ

心の準備ができていない内に、先輩がリビングのドアを開けてしまった。

どうしよう、この中に、あの人がいる……


「なにしてんの、みんな待ってるよ?」

「、…」


リビングの数歩手前で立ち止まった足は、背中に触れた先輩の手に誘導されるように踏み出した。


もう後戻りはできない。

意を決して入ったリビングの中で、私を待っていたのは……



「う"わぁぁぁん!美香ーー!!」

「ぎゃぁぁぁぁ!びざじぶりぃぃぃ!!」

「!」


突然抱きつかれた体は、驚きのあまり一気に硬直。


「にっしー…」

「うっ、…うわぁぁぁ!」

「えっ、めぐちゃん!?」

「私のこと忘れんなバカーー!」

「痛いっ痛いっ、叩かないで、忘れてないから!」

「うわぁぁぁん!」


2人の熱烈な歓迎に、私はまるで置いてけぼり状態。

だけど……


「美香が生きてて、…ッ、元気そうで」

「、…」

「…ッ、……また会えて、…よかったぁぁ!!」

「っ……」



私以上に泣いている2人に「ごめんね」って伝えたら、「ほんとだよバカ!」って怒られた。

「なんで頼ってくれなかったの!」って責められて、「むかつく!」って10回以上言われて。

だけど最後には2人とも、「気づいてあげられなくてごめんね」って、泣きながら抱き締めてくれた……


ねぇ、私たちまた、親友に戻れたのかな。


それともあの日から変わらずに、ずっと親友だったのかな……


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