Pierrot
「ようこそ、ドラゴンサーカスへ!今日はたくさん楽しんで行ってね〜!」
水沢詩音(みずさわしおん)の目の前で、真っ赤な大きな鼻に白い顔のピエロがおどけた声で持っていた風船を渡してくれる。詩音は「ありがとう!」と笑い、両親のもとへと走る。
これは詩音の幼い頃の記憶だ。両親が連れて行ってくれたサーカスで、詩音は空中ブランコや炎のショーよりも、ピエロのことが一番印象に残っていた。
「お父さん、あの白い顔の人の名前は何て言うの?あたしのお友達にあんな人、見たことがないよ」
まだ幼い詩音には、ピエロという名前がわからなかった。父に詩音が訊ねると、父は「ピエロだよ」と詩音の頭を抱き上げながら教えてくれた。
「ピエロさんはね、ああやっておどけてみんなを楽しませるのが仕事なんだ」
詩音がピエロの方を向くと、ピエロはおどけながら風船を配っている途中だった。子どもたちが喜びながら風船を受け取り、ピエロを取り囲んで笑っている。
水沢詩音(みずさわしおん)の目の前で、真っ赤な大きな鼻に白い顔のピエロがおどけた声で持っていた風船を渡してくれる。詩音は「ありがとう!」と笑い、両親のもとへと走る。
これは詩音の幼い頃の記憶だ。両親が連れて行ってくれたサーカスで、詩音は空中ブランコや炎のショーよりも、ピエロのことが一番印象に残っていた。
「お父さん、あの白い顔の人の名前は何て言うの?あたしのお友達にあんな人、見たことがないよ」
まだ幼い詩音には、ピエロという名前がわからなかった。父に詩音が訊ねると、父は「ピエロだよ」と詩音の頭を抱き上げながら教えてくれた。
「ピエロさんはね、ああやっておどけてみんなを楽しませるのが仕事なんだ」
詩音がピエロの方を向くと、ピエロはおどけながら風船を配っている途中だった。子どもたちが喜びながら風船を受け取り、ピエロを取り囲んで笑っている。
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